岩田温著「逆説の政治哲学」を読んで

 ギリシア時代から、高名な哲学者は存在しています。当時は市民と奴隷に分かれていましたので、市民は如何に自分達の平和な幸せを維持するか、自分の存在と政治は不可分であり、存在を考えることは即政治的な意味合いも濃いものだったのでしょう。

元々哲学とは「人間如何に生きるべきか」を極める学問です。有限の存在である人間に、無限の可能性を見るようなロマンと同時に、人間同士のあからさまな醜い欲望の塊を直視する学問です。

 所が「政治哲学」となると、これは人間の集合体を権力を持ってコントロールしていく政治学そのものです。ロマンというよりも、如何に権力を奪取するか、人間に渦巻く権力に対する欲望を如何に維持するか、泥臭い人間模様の学問です。

 岩田氏は古今東西の著名な本を紐解きながら、テーマに沿って権力に対する時の評論家(軍師に近い)の考えを披瀝していきます。「権力」に対する多様な考え方を見聞するにつけ、岩田氏のバランス感覚には敬服します。恐らく岩田氏の心には熱い政治に対する思いがあるにも拘わらず、あくまでも学者らしく冷静に、歴史の分析作業を行っているのです。

 過去の著名な方々でも解けなかった政治形態が唯一存在します。それは天皇制です。特に、激動の時代を迎えた1800年以降に、日本が存在しえたこと、そして今でも連綿と天皇制が存在しえていることは凄いことです。過去の政治哲学を全て理解し、咀嚼し、実行に移した複数の日本人の存在の影を見てしまいます。

 ギリシア、スペイン、ポルトガル、フランス、イギリスは言うに及ばず、アメリカも、中国も、ドイツも実質デフォルト状態です。国連は機能せず、実質ODAという名で日本(Japanese Government発行)の高額紙幣が世界中を回り彼らを救っているのです。

 大東亜戦争で日本が占領した地域は今も日本です。北も韓国の大統領も雇われマダムです。中国は国家ではなく党が実権を握っているにすぎません。共産党よりも蒋介石が率いた台湾の方が今でも上なのです。その中国を握っている台湾は日本ではないですか。胡も実は雇われマダムなのです。